いびきに悩む方が増えています!
「日中の眠気がひどい…」や「家族からいびきを指摘されて…」とご相談いただくケースが増えています。
いびきは「うるさい音」というイメージが強いかもしれませんが、実はそれだけではありません。
放っておくと、思わぬ健康リスクにつながるケースもあるため注意が必要です。
その背景にある代表的な病気が「睡眠時無呼吸症候群」です。
睡眠時無呼吸症候群とは、いびきが大きく、寝ている時に何回も呼吸が停止する疾患です。医学的には、10秒以上の呼吸停止(無呼吸)や、呼吸が弱くなる状態(低呼吸)が1時間あたり5回以上起こると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
この状態が続くと、高血圧、ぜんそく、心疾患などの合併症につながる可能性があります。いびきの奥にあるこうした命に関わるリスクを見逃さないことが重要です。
いびきの治療法について
いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法には、原因や重症度に応じて様々な選択肢があります。ここでは一般的に行われている代表的な治療法を3つご紹介します。
CPAP療法
いびきは、寝ている間にのどの空気の通り道(気道)が狭くなり、空気がうまく通らなくなることで引き起こされます。この状態が続くと、呼吸が止まったり浅くなることで、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
CPAP療法は、鼻に専用のマスクを装着し、CPAP機器から空気を送り込むことで気道を確保し、無呼吸を防ぐ治療です。毎晩継続して使用する必要がありますが、無呼吸の回数を大きく減らし、高血圧や心疾患などの合併症リスクの軽減につながることが報告されています。
パルスサーミア(レーザー治療)
のどの奥の「軟口蓋」はコラーゲン線維でできた粘膜で、加齢でたるむと気道が狭くなり、いびきの一因となります。パルスサーミアは軟口蓋にレーザーを照射して引き締め、空気の通り道を広げることを目的とします。
ただし、効果は永続的ではなく再発することがあり、複数回の治療が必要になる場合があります。保険適用外で費用は10~30万円程度、治療中・後に痛みや出血を伴うこともあるため、実施の可否は慎重な検討が必要です。
マウスピース
就寝時に専用装置を装着し、下顎を前に固定して舌が奥へ沈み込むのを防ぎ、気道を広げて呼吸をしやすくします。主に軽症の睡眠時無呼吸症候群に有効で、歯科でオーダーメイド作成します。診断により一定条件を満たせば健康保険が適用される場合があります。
<比較表>
項目 | パルスサーミア | CPAP | マウスピース |
---|---|---|---|
保険適用 | 保険適用外 | 保険適用 | 保険適用(条件あり) |
長期的な効果 | 体重増加や経年で再発の可能性。定期的な施術推奨 | 継続使用で長期的に健康維持・合併症リスク低減 | 継続使用で一定の効果 |
無呼吸の改善 | 軽度〜中等度に効果。根本改善には限界 | 無呼吸回数を大幅に減少。重症例にも有効 | 軽度〜中等度に有効 |
当院が大切にしていること
当院では、「一時的ないびきの軽減」よりも、根本的な健康リスクへの対処を重視しています。いびきの原因は、肥満、扁桃腺肥大、顎の骨格など多岐にわたるため、患者様一人ひとりの状態を正確に診断し、睡眠時無呼吸症候群の重症度に応じて最適な治療法をご提案します。
また、生活習慣の改善は重症度に関わらず必ず実施します。必要に応じてCPAP療法などの医療機器による治療、外科的治療が必要な場合は専門機関へのご紹介も含め、総合的にサポートいたします。
CPAP治療とは?
CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群の最も一般的で効果的な治療法の一つです。機器は鼻マスク・エアチューブ・本体で構成され、空気圧は呼吸に合わせて自動調整されます。
鼻に装着したマスクを通じ、一定の圧力で空気を送り込み、眠っている間に気道がふさがれるのを防いで呼吸を安定させます。無呼吸・低呼吸の解消により、体内の酸素濃度が維持され睡眠の質が向上。日中の眠気や倦怠感の軽減に加え、高血圧や心臓病などの合併症リスク低減が期待できます。
岐阜市でのいびきの相談なら長良内科クリニックへ
いびきは単なる音の問題ではなく、高血圧や心臓病などの重篤な疾患につながるサインである可能性があります。
当院では、いびきの原因を特定し、患者様一人ひとりに最適な治療法を一緒に見つけていくことを大切にしています。
日中の眠気や倦怠感、ご家族からの指摘など、いびきが気になり始めたら、まずはお気軽にご相談ください。
文責 医療法人ヘルシア 長良内科クリニック 院長 原瀬 一郎