- 「肥満外来」とは何をする診療科?
- 「肥満」と「肥満症」の違い
- 肥満が原因となって起こる病気
- 肥満外来で行う治療方法
- 当院で行う肥満外来の治療の流れ
- 肥満外来は保険適用になる?
外来栄養食事指導と保険適用について
「肥満外来」とは何をする診療科?
肥満外来とは、医療機関で医師の指導によって肥満の治療(ダイエットの治療)を行う外来です。
当院の肥満外来では、血液検査を受けていただき現状を確認した後に、患者様それぞれに合った治療プログラムを医師からご提示いたします。
管理栄養士による運動療法や食事療法の実践や、医師から必要と判断された場合は肥満を抑えるお薬が処方されます。
医師の指導下で行うため、体への負担を最小限にし、健康と安全に十分配慮したプログラムをご提示いたします。また、食事などの生活習慣の改善によって根本的な見直しを図るため、リバウンドしにくい環境下で治療が行えます。
「肥満」と「肥満症」の違い
肥満は病気ではありませんが、体へ脂肪を蓄えて体重が増えている状態です。
その一方で肥満症とは内臓脂肪が増えすぎたり、肥満から来る健康状態の悪化が見られたりする状態のために治療すべきです。
肥満の判定には、通常「BMI(Body Mass Index)」と呼ばれる指数を用います。この指数で肥満症の判断はできませんが、日本人ではBMIが25を超えると生活習慣病などの悪影響が見られることから、25以上のBMIを肥満と定義しています。
BMIの算出方法
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
何キロから肥満?BMIにおける基準
25~ | 肥満 |
---|---|
18.5~25 | 標準 |
~18.5 | 低体重 |
肥満が原因となって起こる病気
肥満が原因で生じる病気は数多く、代表的なものには以下のような病気があります。
ふさわしくない方法でダイエットを行うと逆に健康をおびやかすこともあるので、当院の肥満外来を受診して頂き、病気の予防のために適切な方法で肥満の治療を行うことをお勧めします。
- 2型糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 高尿酸血症(痛風)
- 心筋梗塞・狭心症
- 脳梗塞、脳血栓症、一過性脳虚血発作(TIA)
- 脂肪肝
- 月経異常
- 不妊
- 睡眠時無呼吸症候群
- 運動器疾患(変形性関節症、変形性脊椎症)
- 腎臓病
肥満外来で行う治療方法
体質や生活環境に応じて、食事療法、運動療法や生活習慣に関するアドバイスを行い、内服薬(漢方など)の処方を組み合わせた治療を行います。
食事療法
管理栄養士が食事療法をご説明し、普段の食生活をお聞きした上で取り組んでいただく行動目標の設定をお手伝いいたします。
運動療法
カロリー消費のための有酸素運動と、太りにくい代謝状態を目指した筋肉トレーニングを併用した運動計画を提案します。
ご年齢や体調に配慮し、無理のない内容としています。
薬物療法(医師の判断による)
一定の条件を満たす場合に限り、医師が薬物治療を行うことがあります。
- サノレックス(内服薬):BMI35以上の高度肥満症において、十分な食事・運動療法を実施した上で効果が不十分な場合に、最大3か月まで処方可能です。
- ウゴービ(注射薬):BMI35以上、またはBMI27〜35で糖尿病・高血圧・脂質異常症などの合併症がある場合に保険適用されます。
※保険適用外の薬剤は当院では取り扱っておりません。
当院で行う肥満外来の治療の流れ
1ご予約
WEBまたはお電話でご予約ください。当日予約も可能です。
2問診票の記入
ご来院時に問診票をご記入いただきます。
事前に当院ホームページからWEB問診を行っていただくとスムーズです。
3検査

- 身長・体重測定、BMI算出
- 血液検査(健康診断や他院での検査の結果をお持ちの方はご持参ください。)
4診察・治療法のご提案
医師が問診・身体計測・血液検査の結果に基づき、患者様に合った治療方法をご提案いたします。
その後、管理栄養士が一人ひとりに合った食事療法と運動療法をご指導いたします。
5定期的なフォローアップ
継続的な体重・血液検査の確認と指導を通じて、患者様とともに健康的な体を目指します。
肥満外来は保険適用になる?
外来栄養食事指導と保険適用について
「外来栄養食事指導料」は、以下の条件に該当する場合に保険診療として算定可能です。
保険適用となる条件
- 厚生労働省が定める**「特別食」が必要とされる患者**(例:高度肥満症など)
- がん患者
- 嚥下障害・摂食障害のある患者
- 低栄養状態にある患者
これらに該当しない場合でも、医師が栄養指導の必要性を認め、正規の指示を行えば、保険算定が可能となる場合があります。診断名や病状に応じて、当院で適切に判断いたします。
最後に
肥満治療は、ただ体重を減らすだけではなく、生活習慣を見直し、将来の疾患リスクを減らすことが目的です。
無理なく続けられる方法を一緒に探し、継続的なサポートで健康を守ります。
文責 医療法人ヘルシア 長良内科クリニック 院長 原瀬 一郎