- 「血圧を下げる飲み物」ってある?生活に取り入れたい飲み物の選び方
- 「飲み物だけで血圧が下がる」は本当?基本的な考え方
- 賢い飲み物の選び方と注意点
- 長良内科クリニックからのアドバイス:飲み物と生活習慣の改善で、健康な血圧を目指す
「血圧を下げる飲み物」ってある?生活に取り入れたい飲み物の選び方
「血圧が高いと言われたけど、薬を飲むのは抵抗があるな…」
「何か手軽にできる血圧対策はないかな?」
「テレビやインターネットで『血圧を下げる飲み物』って聞くけど、本当に効果があるの?」
岐阜市の長良内科クリニックにも、このようなお悩みや疑問を抱えてご来院される方が多くいらっしゃいます。健康に関心が高まる中で、「血圧を下げる飲み物」として様々な情報があふれていますが、何が本当に効果的なのか、どう生活に取り入れたら良いのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、血圧に良いとされる飲み物の種類や、その効果のメカニズム、そして日常生活で賢く取り入れる方法について、岐阜市の長良内科クリニックが分かりやすく解説します。ただし、「飲み物だけで高血圧が治る」という誤解は禁物です。あくまで日々の食事や運動と合わせて、健康的な生活をサポートする「補助的な役割」として、飲み物を選びましょう。
「飲み物だけで血圧が下がる」は本当?基本的な考え方
まず大前提として、「この飲み物さえ飲めば高血圧が治る」という魔法のような飲み物はありません。高血圧の治療は、食事の改善(減塩が最重要)、適度な運動、適切な体重管理、ストレスの軽減、そして必要に応じた薬物療法が基本です。
しかし、特定の成分を含む飲み物には、血圧の上昇を抑えたり、血管の健康を保ったりする効果が期待できるものがあります。これらを上手に日々の生活に取り入れることで、血圧コントロールの一助となる可能性があります。
血圧を下げる効果が期待される飲み物と、そのメカニズムでは、具体的にどのような飲み物が血圧に良いとされているのでしょうか。
お茶類(緑茶、プーアル茶、杜仲茶、ルイボスティーなど)
多くのお茶には、ポリフェノールの一種である「カテキン」や「フラボノイド」が豊富に含まれています。
カテキン
血管の細胞に働きかけ、血管を広げる作用がある一酸化窒素(NO)の産生を促すことで、血圧の上昇を抑える効果が期待されています。また、コレステロールの吸収を抑える働きも報告されています。
カフェイン(緑茶、コーヒーなど)
一時的に血圧を上げる作用もありますが、習慣的な摂取では血圧を上げない、あるいはわずかに下げるという報告もあります。ただし、大量摂取は控えましょう。
GABA(ガンマアミノ酪酸)
定の GABA を含むお茶(GABA茶など)には、リラックス効果や、交感神経の活動を抑制することで血圧上昇を抑える効果が期待されています。
杜仲茶(トチュウチャ)
ゲニポシド酸という成分が、血管を広げる作用や、コレステロールを低下させる作用が期待されています。
野菜ジュース・トマトジュース
野菜には、カリウム、食物繊維、ビタミン類などが豊富に含まれています。
カリウム
体内の余分なナトリウム(塩分)を体外に排出するのを助ける働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。
トマトジュース
トマトに含まれるリコピンには、活性酸素を除去する抗酸化作用があり、血管の健康維持に役立つとされています。また、トマトにはカリウムも豊富です。 【注意点】 市販の野菜ジュースやトマトジュースの中には、塩分や糖分が多く含まれているものもあります。無塩、無添加のものを選ぶようにしましょう。
牛乳・乳製品(特定保健用食品など)
カゼインペプチド、乳清タンパク
特定の牛乳やヨーグルトには、血圧を上げる酵素(ACE)の働きを阻害する成分が含まれており、血圧上昇を抑える効果が期待される特定保健用食品(トクホ)として認められているものがあります。
カルシウム
カルシウム不足が高血圧に関連するという説もあり、適度なカルシウム摂取は血圧コントロールに役立つ可能性があります。
黒酢・もろみ酢
酢に含まれる「酢酸」には、血管を広げて血流を良くしたり、血圧を上げるホルモン(アンジオテンシンII)の生成を抑えたりする働きがあると考えられています。
【注意点】 そのまま飲むと胃に負担がかかる場合があるので、水や炭酸水で薄めて飲むようにしましょう。
ココア
ココアには、カカオに含まれる「フラバノール」というポリフェノールが豊富です。このフラバノールには、血管の弾力性を保ち、血圧を低下させる効果が報告されています。
【注意点】 砂糖やミルクがたっぷり入った甘いココアではなく、純ココアや高カカオの製品を選ぶようにしましょう。
特定保健用食品(トクホ)の飲料
「特定保健用食品(トクホ)」として消費者庁から認可されている飲料の中には、「血圧が高めの方に」と表示されているものがあります。これらは、科学的根拠に基づいて効果が確認された成分(例:GABA、難消化性デキストリン、カゼインペプチドなど)が配合されています。
【注意点】 トクホだからといって過剰に摂取すれば良いわけではありません。表示されている摂取目安量を守り、バランスの取れた食生活の一部として取り入れましょう。
賢い飲み物の選び方と注意点
血圧対策として飲み物を選ぶ際のポイントと注意点をまとめました。
「無塩」「糖分控えめ」を選ぶ
特に市販の野菜ジュースやスポーツドリンク、清涼飲料水は、塩分や糖分が多く含まれていることがあるため注意が必要です。
カフェインの摂取量に注意
カフェインは一時的に血圧を上げる可能性があるため、過剰摂取は避けましょう。心臓に疾患がある方は医師に相談してください。
偏った摂取は避ける
特定の飲み物だけを大量に摂取するのではなく、様々な種類の飲み物をバランス良く取り入れましょう。
薬との飲み合わせに注意
降圧剤を服用している方は、飲み物の種類によっては薬の効果に影響を与える可能性があります。必ず医師や薬剤師に相談してください。
水分補給はこまめに
高血圧の有無にかかわらず、水分補給は健康維持に不可欠です。特に夏場や運動時は、脱水状態にならないよう、こまめに水を飲むことを心がけましょう。
長良内科クリニックからのアドバイス:飲み物と生活習慣の改善で、健康な血圧を目指す
岐阜市の長良内科クリニックでは、「血圧を下げる飲み物」についてご質問いただくことがありますが、私たちは患者さんに、まず食生活全体の改善、特に「減塩」の重要性をお伝えしています。その上で、ご紹介したような血圧に良いとされる飲み物を、日々の生活に無理なく取り入れることをおすすめしています。
- 朝食時にトマトジュースをプラス
- 休憩時間に緑茶や杜仲茶を飲む
- 甘い清涼飲料水の代わりに、無糖のお茶や水を選ぶ
こうした小さな工夫の積み重ねが、血圧のコントロールにつながります。
高血圧は、放置すると脳卒中や心筋梗塞など、命にかかわる重大な病気のリスクを高めます。飲み物だけに頼らず、健康的な生活習慣を総合的に見直すことが大切です。
「自分の血圧が高いのは気になるけど、何から始めればいいか分からない」「飲み物以外にもっと効果的な対策を知りたい」そんな時は、ぜひ長良内科クリニックにご相談ください。
当院では、患者さん一人ひとりのライフスタイルや血圧の状態に合わせて、具体的なアドバイスや治療計画をご提案いたします。無理なく、そして効果的に血圧をコントロールできるよう、一緒に考え、サポートさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。
岐阜市の長良内科クリニックは、高血圧をはじめとする生活習慣病の専門医として、皆様の健康をサポートいたします。気になることや不安なことがあれば、いつでもお気軽にご来院ください。
文責 医療法人ヘルシア 長良内科クリニック 院長 原瀬 一郎