睡眠時無呼吸症候群と睡眠中の酸素濃度(SpO2)の低下
- 知っておきたいこと
「夜中に何度も目が覚める」
「朝起きてもスッキリしない」
もしかしたら、それは『睡眠時無呼吸症候群(SAS)』が原因かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中に呼吸が止まり、血液中の酸素濃度(SpO2)が低下することがあります。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。呼吸が止まると、体内に酸素が取り込まれにくくなり、様々な症状を引き起こします。
酸素濃度(SpO2)とは?
新型コロナウイルス感染症でも広く知れ渡ったSpO2 は、血液中の酸素濃度を表す指標です。 血液中のヘモグロビンというタンパク質が、どれくらい酸素と結合しているかを示す割合で、通常は 95%以上 が正常値とされています。
私たちの体は、呼吸によって肺から酸素を取り込み、血液中のヘモグロビンと結合させて全身の細胞に運びます。 細胞は、酸素を使ってエネルギーを作り出し、生命活動を維持しています。 つまり、SpO2 は、 体が十分な酸素を得られているか を知るための重要な指標と言えます。
睡眠時無呼吸症候群によるSpO2低下
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで、血液中の酸素濃度(SpO2)が低下します。
健康な人であれば、睡眠中もSpO2は95%以上を保ちますが、睡眠時無呼吸症候群の人は、無呼吸発作が起こるたびにSpO2が大きく低下し、時には80%台、あるいはそれ以下になることもあります。
睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸発作が 一晩に数十回から数百回 も繰り返されることがあります。そのたびにSpO2が低下し、体は 慢性的な酸素不足状態 に陥ります。この状態が続くと、様々な臓器に悪影響を及ぼし、以下のような合併症のリスクを高めます。
高血圧
血管が収縮し、心臓に負担がかかる
不整脈
心臓のリズムが乱れる
心不全
心臓のポンプ機能が低下する
脳卒中
脳血管が詰まったり破れたりする
認知機能障害
記憶力や集中力などが低下する
SpO2低下のサインを見逃さないで
睡眠時無呼吸症候群によるSpO2低下は、自覚症状がない場合も多いですが、以下のようなサインが見られることがあります。
集中力低下
物事に集中することが難しい
起床時の倦怠感
朝起きても疲れが残っている
これらの症状に一つでも当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
一度岐阜県岐阜市の『長良内科クリニック』までご来院ください。
文責 医療法人ヘルシア 長良内科クリニック 院長 原瀬 一郎